MADLAX

 真実と偽りと現実。真実とは現実ではなく、現実とは偽りである。現実が真実となるとき、世界は崩壊する。それがマーガレットバートンであり、世界そのもの。世界のアイデンティティといっても良いのではないでしょうか。それを、具現化したのがMADLAXだったというわけです。

 だからこそ、私の目から悲しみでない涙がこぼれたアニメであったのではないでしょうか。人間の本質に触れられ、それを惜しみなく心身に流れさせられ、アイデンティティを刺激されて、涙が出て来たわけです。赤ん坊が流す涙と同類のものと言えば、わかりやすいでしょうか。

 エヴァンゲリオン以来の涙でした。

 ラストの終わり方は、妥当でしょう。あれで正解だったと思います。あれ以上突っ込まれると、私はこのアニメを見れなかったかもしれません。

 この作品の秀逸の部分は、そういう部分にもあるけれど、やはりそれを引き出す環境、バックミュージックが秀逸であったことに尽きるでしょう。まさに、マドラックスに合った、やさしい人殺しのイメージ。

 このアニメを見れて良かった。ありがとうございました。