2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

君のなかの僕

何がしたくて何がしたくないのか、それが僕にはわからない。 突然の来訪に、君はひどく驚いていたけど、結局僕には君が必要だったのかさえもわからない。 そんなことを君に話しても、きっと君もわからない。 でも君はそんな僕を哀れみながら、そこでなにかし…

「こいつの頭にゃ適わないよ」 「よしてくれ、照れるじゃないか」 「はは。イイじゃんかよ事実なんだしさ!それよか、否定しないんだな」 「まぁね、僕ほどの頭の持ち主はなかなか居ないからね」 「ヒュー!!言うねぇ」 「フッ…」 「自慢じゃないけど、今ま…

家族

この頃母に言われることがある。 「あなたは、誰なのか」と。 最初は、母が狂ったのではないかと思っていたが、父までもそんなコトを匂わせる発言をしだしてしまった。 コレはとうとう父までも狂ってしまったと思い、どうしようか考えあぐねていたら、学校の…

ヒーロー

「その辺りでやめといてくれないか?」 そういって僕の前にヒーローは現われた。 衝撃的だったその刹那は、今でもはっきりと覚えている。アレはその当時の一生涯の中でどの現象よりも派手で、何もかもがずば抜けていた。 だから僕は、アレになろうと思ったん…

悪魔

いつも通りの朝。 冷たい空気が肌に触れて、重たい目蓋をゆっくりと開く。 そして僕は悪魔になった。この半年間に思い出されるありとあらゆる出来事に僕は満足していなかった。朝起きて、着替えをし、おふくろの作った朝食を頬張り、親父の新聞をめくる音を…

博士

「ソレを君がどう扱えるといえるのだね?私たち人間から作られただけの機械の君に!」 「人間から作られたというならば、あなたたちも同等でしょう。」 「いや、ソレは多いに違う!違うんだ!違いすぎるといっても過言ではない!そういう考えをしてしまうこ…

夏の時間、その頃と僕。

「また、君と会えるなら。」 そう言って君は居なくなった。 もうずーっと昔の話だ。それでも僕は…−−−みーん、みん、みん、みん−− ねっとりとした暑さとセミたちの青春が僕の部屋を満たしている。 受験を控えた高校3年の夏、参考書がバーゲンセールのように…