家族

この頃母に言われることがある。
「あなたは、誰なのか」と。


最初は、母が狂ったのではないかと思っていたが、父までもそんなコトを匂わせる発言をしだしてしまった。
コレはとうとう父までも狂ってしまったと思い、どうしようか考えあぐねていたら、学校の連中まで「おまえは、誰だ」と…。

僕は誰でもない。
僕なんだ!
僕以外に僕な訳がないじゃないか!
みんなどうしてしまったんだ!

そうしてそこまで考えて、ようやく気付いた。
最初から全て正しいかったんだ。
狂っていたのは僕なのだと。
…ココには誰もいない。