ヒーロー

「その辺りでやめといてくれないか?」
そういって僕の前にヒーローは現われた。
衝撃的だったその刹那は、今でもはっきりと覚えている。アレはその当時の一生涯の中でどの現象よりも派手で、何もかもがずば抜けていた。
だから僕は、アレになろうと思ったんだ。当時はこんなことになるなんて、一欠片も思いはしなかった。

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ぶん、ぶん、ぶん、ぶん、ぶん。
「隣の柿はよく柿食う客だ!!」
「柿に口付いちゃったよっ!共食いになっちゃってるしっ!!」