鋼の錬金術師第23話。鋼のこころ

アルフォンス・エルリック

鎧にこころを定着させた、エドワード・エルリックの弟。
言われるまでも無く、彼らは兄弟である。
なにを、そんな当たり前のことを。と思うかもしれない。
でも、彼らは本当に兄弟だったのか?
それが、今回の主題といえよう。
悩む、弟。
鎧に定着させられた、こころは本当に自分の物なのか。
本当は、アルフォンス・エルリックなんてこの世に存在しなくて、兄と思っていた、エドワード・エルリックが作り出した虚実のこころを持たされた、ただの鎧なのではないか。
兄が描いた、理想の弟像なの、だけではないか。
彼の葛藤は、当然といえば、当然の事だ。
でも、それに気づかなかっただけ。
昨夜の戦いで、それに気づいてしまった、気づかなくて良いものに気づいてしまったんだ。
気づいたからには、疑いの心が生まれる。
疑いのこころが一度生まれたら、それは、すべてに疑いをかける。
今まで、自分がしていたことはなんだったのか。
信じてきたものが、崩れ落ちる。


彼の心は、私には汲み取れない。
でも、どんな思いがするのかは、想像できる範囲で想像する。


そして、その疑いを告げられる、兄。


私には、エドワード・エルリックが何を考えているのか、まったく理解しがたい。
疑いを掛けられた時点で、「なんだそんなことか。」と、なんだか安心に似た表情を浮かべる。
それは、そんなことはありえないからか?


でも、弟は、深刻に考えていた。
言い訳なんて、聞きたくない。
そんな感情を出しながら、逃げようとする弟。
それを、引き止める兄。
とっさに、殴ってしまう弟。
弟は、兄の手から離れ、遠くへ行ってしまった。
うなだれる、兄。


なぜ、ここで真剣な顔をして、うなだれているのか。
弟が、言うことを聞かないからか?
弟の心中を察してか?
それとも、本当は、記憶を植えつけるということが出来て、それを否定出来ず、どうやったら、彼に信じて貰えるか、わからなかったからか?
複雑すぎて、彼の心が想像出来ない。
疑いを掛けられた時に、もっと重い気持ちを表してくれたら、なんとなく、わかる。
その時の、表情、態度が、気にかかって仕方が無い。


まぁ、簡単にいえば、来週が楽しみだ。