悪魔

いつも通りの朝。
冷たい空気が肌に触れて、重たい目蓋をゆっくりと開く。
そして僕は悪魔になった。

この半年間に思い出されるありとあらゆる出来事に僕は満足していなかった。朝起きて、着替えをし、おふくろの作った朝食を頬張り、親父の新聞をめくる音を聞きながら家をでる。
学校に着いても、その退屈な日常は変わらない。友人との当たり障りのない会話。つまらない授業。ここまで言えば、放課後も予想が付くはずだ。こうして、簡単に一日が過ぎてしまう。
だから今日、僕は悪魔になった。